営業は「話す技術」を駆使して商品の説明を正確にするだけでは成果を出すことはできません
むしろお客さんに対してセールストークをたっぷりと盛り込んだ営業トークをしても「全く相手にされない」ケースがほとんどです

この記事では名著「ユダヤ人大富豪の教え」を参考に営業がお客さんと話すときの心得を紹介するよ
◆ この記事をおすすめする読者の皆様
● お客さんに話を聞いてもらうためにはどうしたらいいのか?と思う人
◆ この記事でわかること
● お客さんに話を聞いてもらうときの心構え、考え方
● 耳を傾けてもらえる商品の紹介のタイミング
お客さんは営業マンの話を聞きたいなんて思っていない

お客さんが買ってくれないどころか、話もまともに聞いてくれないよ。。。
営業を始めて最初にぶつかる壁は「お客さんが買ってくれない」どころか「興味すら持ってくれない」という悩みではないでしょうか?
この時のお客さんの本音はこんな感じです

営業マンの話って聞くだけ時間のムダなんですよね。一方的ですしね・・・
営業のセールストークに付き合わされたお客さんは迷惑していて、一方的な話が終わるのを心待ちにしています
自分の立場に置き換えて考えてみればすんなりと納得のいく話でも、経験の浅い若手の営業は意外とこのことを見落としています
さらに「他人を変えることはできない」と言われるように、人を説得することは基本的にはできません
「説得されても人は変わるものではない。誰もが変化の扉を固くガードしており、それは内側からしか開けられない。説得によっても、感情に訴えても、他人の扉を外から開けることはできない」
米国 社会心理学者のマリリン・ファーガソン

興味のない話で説得をしようとするのはダブルでムリな相談だよ
営業でもっとも重要な技術は「聞く技術」

商品の説明を聞いてもらえないんだったら、どうしたらいいんだろう??
禅問答のようですが話を聞いてもらうためには聞く技術が必要になります
話す技術ではないことに注意が必要です
聞く技術を磨きお客さんが興味、関心を持っていることを話題にできるようになれば話を聞いてくれるようになります
営業とお客さんの関係は魚釣りに例えることができます
魚釣りをするときには竿の先には自分の好物ではなく魚の好物を付けます
営業するときもお客さんの興味、関心があることを話題にするようにします
お客さんが興味を持っていることはバラバラなので営業はお客さんのココロを読む努力が必要になります

まずは言いたいことをグッと抑えてお客さんの話に耳を傾けてみよう
「ユダヤ人大富豪の教え」から学んだこと ~顧客心理の把握の大切さ
名著「ユダヤ人大富豪の教え」の中に、次のような一節があります
「君が買ってもらいたい相手を決めその人たちの心理を読むことだ・・・これができれば成功は早いよ」「そして彼らに喜んでお金を払ってもらい長い間、客でいつづけてもらうことだ」
ユダヤ人大富豪の教え コミック版 弟子入り修行篇 大和書房

一番大切なのはマーケティングだ ・・・といっても難しく考えなくてもいい
誰にどう買ってもらうか それだけわかっていればいい

でも
その『どうやって買ってもらうのか』が難しい気が…

君が買ってもらいたい相手を決め その人たちの心理を読むことだ・・・
これができれば成功は早いよ
そして彼らに喜んでお金を払ってもらい
長い間、客でいつづけてもらうことだ
営業が一方的に話したいことを話すのではなく、まずは買ってもらいたい人の心理を読むことを最優先で行うことをすすめています
お客さんの心理を読むためにお客さんのコトバを傾聴する

お客さんの「心理を読む」?そんな超能力者みたいなことできないよ!?
超能力者でもない限りお客さんの頭の中を直接知ることはモチロンできませんが、「聞く技術」をフル活用してお客さんと会話から心理を推測することはできます
お客さんの話を聞くときの心構えには次のようなポイントがあります
- お客さんが安心して話せる関係を作る
- 理解することと納得することは違うことを意識する
- 成約率10割を目指さず余裕を持って聞く
- 言葉の端々に本音が現れることを覚えておく
安心して話せる関係を作る

お客さんの話をうまく聞くためにはどんなテクニックが使えるの?
お客さんの話を聞く過程をテクニックだけに頼ることには害があります
聞く技術を支えているのはテクニックではなくお客さんと真摯に向き合うマインドであることを忘れないでください
お客さんと真摯に向かい合うためのマインドには次のような特徴があります
- 相手のことを理解しようと努める
- 誠実な関心を持っている
- 相手の立場になって考える
以上のようにお客さんと同じ方向を向くために、お客さんの考え方を知ろうとするマインドが特徴になります
お客さんがこの人になら安心して話ができると思ってもらえればお客さんの心理を把握するのに必要な情報が得やすくなります

お客さんと同じ視点から同じように考えられるようになることを目指すよ
理解することと納得することの違いを理解しておく
お客さんの考えを理解することを勧めると次のように思う人がいます

商品を「買わない」って言うお客さんの考えを理解してしまったら、買ってもらうえないんじゃないの?
理解することと納得することは別物で、営業がすることはお客さんの考えを理解することで納得することではありません
理解と納得には自分の評価が入っているかの違いがあります
たとえば、健康を害するほどの肥満の人が暴飲暴食をやめられない場合に
暴飲暴食に走ってしまう心境を理解をする必要はありますが
暴飲暴食に走ってしまう心境に納得する必要はありません
お客さんの考えを批判せずに理解に徹することでお客さんは安心をしやすくなります

自分の評価を入れてしまうと「納得する」か「反対する」かの二者択一になりやすくなるよ
成約率10割を目指さず心に余裕を持って話を聞く

面会するお客さんには何が何でも商品を買ってもらわないと!!
営業が「何が何でも自分の商品を買ってもらおう」と思っているのをお客さんは敏感に感じます
この感情はお客さんとの価値観のすり合わせに支障が出る原因になります
営業はお客さんに改善を提供することでお互いにWin-Winの関係を築く提案をしますが、最終的に判断をするのはお客さんです
お客さんとの価値観と商品がもたらす改善が相いれない時には引き下がる覚悟を持っておくことでお客さんの話を理解する心の余裕が生まれやすくなります
この考え方は「Win-Win or No Deal」として知られています(ノー・ディール=取引をしない)
No Dealの場合はお客さんと「理解しあえないということが理解しあえた」という納得を得たことになります

No Dealを怖がらない心構えを持つ方が結果として成果に結びつきやすくなるよ
言葉の端々に本音が現れることを覚えておく

お客さんが本音を話してくれるとは限らないんじゃない・・・?
お客さんは常に本音を話してくれるわけではありません
本音は会話の本筋よりも、言葉の端々に現れることが多くあるので積極的に傾聴して細かい部分も聞き漏らさないようにします
ちょっとした端々の言葉をつなぎ合わせると本音がわかるケースは多くあります

お客さんの話は一言漏らさず聞くんだよ。次に自分が話すことを考えているヒマはないよ。
商品の説明をするのはお客さんが「現状を変えたい」と思ってから


お客さんのココロが読めるとどうして商品の説明を聞いてもらえるようになるの!?
営業の役割はお客さんが気づかずに抱えている問題を解決するお手伝いをすることです
ただし 営業が相手にするお客さんは現状に特に問題を感じていないため、何かを変化させる必要性も感じていません
営業はお客さんの話を聞いてお客さんに現状を改善したいと思ってもらえるように聞く技術を駆使して質問をします
お客さんのココロを動かすための質問はSPIN営業術としてまとめられています
お客さんに投げかける質問はSPIN営業術で知られている以下の4つの質問ですSPIN営業術
- S:Situation Questions (状況質問)お客さんの現状を確認する
- P:Problem Questions (問題質問)お客さんが潜在的に抱えている問題を明らかにする
- I:Implication Questions (示唆質問)お客さんにこの問題を解決したいと思ってもらう
- N:Need-payoff Questions (解決質問)お客さんに解決策を受け入れてもらう
営業が商品の説明をするのはお客さんが「現状を改善したい」と思ったあとになります

SPIN営業術は「〇〇質問」といった質問を駆使してお客さんに気づいてもらう営業術だよ
営業でお客さんとのやり取りの全体像はこちらで解説しているのであわせて読んでください
法人営業では個人心理と組織心理を分けて考える

個人営業と法人営業とではお客さんとの接し方は違うの?
企業などの組織を相手にする場合は、個人心理と組織心理は同じではないことに気を付けます
組織は複数の人間が集まってできており、それぞれの立場や役職によって異なるニーズを持っています
組織心理は各担当者の組織での役割により次のように異なります
● 現場担当者:使い勝手を重視
● 購買担当者:コスト面を重視
● 経営幹部 :組織全体への総合的な貢献を重視
営業は各担当者のココロを把握して組織の一員としてのニーズを深堀します
場合によっては担当者間のニーズが相容れず、組織内での力学が働き各担当者間での社内調整が必要になることがあります
この場合は複数の関係者を巻き込んだ上で調整し、課題解決に向けて動いてもらえるようにします
組織を相手にする場合は登場人物が複雑になりがちですが、基本はお客さんのココロをしっかり理解することになります

お客さんのココロを理解することと組織内の力関係のバランスを両方考えるよ
おすすめの一冊 ユダヤ人大富豪の教え
営業の基礎になるお客さんのココロを理解することの大切さやビジネスのあり方をわかりやすく紹介しているおすすめの本はユダヤ人大富豪の教え(本田健、大和書房)です
本書は幸せなお金持ちになるためにお金や仕事とどう付き合うのか?といったことがメインの話題ですが、本記事でも引用したように大富豪のゲラーさんがビジネスのあり方を解説するシーンは営業に活かせる部分がたくさんあります
マンガで書かれているのでとても濃い内容を1時間程度で読破できます。おすすめです!
まとめ
お客さんに商品を買ってもらうためには、商品の説明をする前にお客さんの興味や抱えている問題を知り、お客さんに「現状を変えたい」と思ってもらうことが必要です
- 営業が一方的に商品の説明をしてもお客さんは興味を持たない
- お客さんの話を聞きお客さんの興味や関心がどこにあるのかココロを読む
- 商品の説明をするのはお客さんが「現状を変えたい」と思ってもらってから
最後までお読みいただきありがとうございました
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