◆この記事をおすすめする読者の皆様
● 営業職と販売職の業務内容の共通点や違いって何だろう?と疑問に思う人
● 営業職と販売職に必要なスキルの違いって何だろう?と疑問に思う人
お客さんに商品を販売する仕事には営業職と販売職があります。これら2つの職業には共通している点と異なっている点があります。

営業職と販売職は似ているけど別物です。営業一筋20年のヨシゴマが営業職と販売職の共通点と違いを解説するよ。
◆この記事でわかること
● 営業職と販売職の共通点と違い
● 販売職に比べて営業職のほうが市場価値が高い理由
◆ この記事の結論
● 共通点:営業職と販売職はお客さんの購入決断の後押しをする
● 相違点: 営業職は肉体的・精神的なタフさに加え、買う気がない人の心を動かすスキルが必要になる
● 購買意欲を高めることができる営業職の市場価値(給料)は販売職より高い
営業職と販売職の共通点:お客さんの購入の後押しをする

営業職も販売職も「お客さんに商品を買ってもらう」という購入プロセスに関与していることが共通しています。
そのため、営業職も販売職も商品の紹介や事務的な販売手続きに加えて「欲しい」と思っているけれど購入を迷っているお客さんの後押しをすることを業務内容として担当しています。
お客さんは商品を購入する意欲が沸いても、「自分の判断は間違っていないか?」とか「他の選択肢の方が良いのではないか?」と不安になり購入をためらってしまうことがあります。営業職や販売職はお客さんの不安を取り除き購入を心理的にサポートする役割を担当します。
- 本当に自分の役に立つ商品なのか確認したい
- 他の商品を選んだほうがもっといいんじゃないか?
- 何となく不安だから誰かに「大丈夫!」って言って欲しい
お客さんが「買いたい!」と思うまでの心の動きを心理学を使って知っておくと、お客さんの心理的ハードルを取り除きやすくなります。
お客さんが「買いたい!」と思う心理に興味がある方にはこちらの書籍がおススメです!
営業職と販売職の違い:お客さんの購買意欲の大きさ

営業職と販売職の違いは初めて会った時のお客さんの購入意欲の大きさです。
- 営業職が相手にするお客さん:「何も困っていないから、何かを買うつもりはない」(自分から行動を起こすつもりはない:能動的)
- 販売職が相手にするお客さん:「困っていることを解決できる何かを買おうとしている」(自分から行動を起こす準備ができている:受動的)
「何かを買う心の準備があるか?」という視点から見ると真逆の状態になっています!
たとえるなら販売職はおなかを空かせたサカナが集まっている釣り堀で釣りをしているのに対し、営業職は空腹のサカナがどこにいるのかわからない海や川で釣りをするようなイメージです。

お客さんに購入意欲を持ってもらうまでの過程がもっとも難しい
営業職と販売職の違いである「無関心なお客さんに商品に興味を持ってもらう」まで、すなわち「不要の壁を突破するまで」がもっとも難しいプロセスです。
もちろん販売職が相手にするお客さんの中にも購買意欲が小さい人もいます。
それでも店頭に足を運ぶ手間を惜しまないくらいには購入意欲があるわけですので、営業職が相手にするお客さんと比べるとずっと大きい購入意欲を持っています。
営業職に求められる重要なスキル
商品に関心を持っていないお客さんの興味を引き出すために営業職に求められる重要なスキルが2つあります。
「お客さんが気づいていない不便や不満」に気づかせるスキル

店舗に出かけて行かないお客さんに共通していることは、「現在の状況に満足をしている」ということです。
しかし、完璧な状態にあるお客さんはまずいません。ほとんどすべてのお客さんは次のどちらかの状態になっています。
● 自分が抱えている問題に気が付いていない。
● 自分が抱えている問題に気づいているが、慣れてしまっている。
営業職の大切なスキルの1つ目はお客さん自身に「お客さんが持つ不便、不満」の存在やそれを解消することの重要性に気づいてもらうことです。
少しでも現状に不満があるお客さんに営業マンが上手にアプローチをすれば、自分が持っている「不便、不満」に気づいたり、問題の解消に前向きになります。
現状に満足していたお客さんから不満、不便を引き出し、 不要の壁を突破して 商品を「欲しい!」と思ってもらう代表的なスキルにはSPIN営業術があります。
SPIN営業術が使いこなせれば、お客さんの心は渇きを覚えて解決策を自分で探し求めるようになります。
SPIN営業術についてはこちらで解説しているのであわせて読んでください。
お客さんに新しい価値を提案をするスキル
営業職の大切なスキルの2つ目は商品を購入することでお客さんが受け取れる「利益」を分かりやすく伝えることです。
お客さんは商品そのものを買っているのではなく、商品を通じて得られる生活の「改善」にお金を払っています。
販売職が相手にするお客さんは「この機能があれば、●●な改善が得られる」と既に心の中で考えているので製品の機能や価格の話を聞きたがります。
しかし、営業マンは商品を通じてどんな生活の改善が得られるのかに気づいてもらうスキルが必要になります。
商品の性能や機能、価格の話はそのあとの段階です。間違っても最初に商品の詳しい性能や機能を中心に話してはいけません。お客さんが退屈するだけです。
営業職と販売職の仕事内容と求められるスキルの比較

営業職と販売職が担当する職務の内容を比較すると次の表のようになります。
問題意識を高める | 改善への欲求を高める | 購買意欲を高める | 購買を後押しする | |
営業職 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
販売職 | ✖ | ✖ | △ | 〇 |
営業職も販売職もお客さんの購買の手伝いを穏やかに威圧感を与えずに後押しをするプロセスは共通ですが、さらに営業職はお客さんの問題意識を高めたり、改善への欲求を高めるといったお客さんの考えを変化させるプロセスを担当します。
このように、営業職の仕事内容に販売職の仕事内容はすべて含まれており、営業職はよりも多くの業務プロセスを担当し、必要なスキルも多くなっています。
営業職と販売職で共通して求められる人材の特徴
営業職も販売職も購入を迷っているお客さんの買い物をお手伝いする場面での対応が必要になるので、穏やかで威圧感を与えない対応ができることが必要になります。
一方で営業職は初対面の相手でも物怖じせずに関係性を作れる明るく快活な人間性が求められます。さらに、なかなか契約や売り上げにつながらなかったり、お客さんから見向きをしてもらえないときでも落ち込まない精神的なタフさも求められます。
営業職の中でも卓越した成績を出すトップセールスは、穏やかさと肉体的・精神的タフさの両方をバランスよくあわせ持っています。
販売職より営業職の方が市場価値が高い

販売職に比べて営業職の方がより難易度が高い多くのプロセスを担当しているため、当然のことですが市場価値は営業職の方が高くなっています。
平均年収で比較すると下記のようになっています。
● 営業職:520万円(480~560万円)
● 販売職:334万円(314~347万円)
さらに、営業職にはフルコミッション型(完全歩合制、フルコミ)の営業形態があります。
フルコミの働き方は、保険業界や不動産業界を中心に営業職では比較的メジャーな雇用形態の1つです。
成果に応じて賃金が支払われる報酬形態が特徴で、収入の上限は青天井になります。年収2000万円以上のプレーヤーも珍しくはなく、中には1億円を超える猛者もいます。

営業職は腕次第で稼げる金額がいくらでも増やせるのが特徴だよ。歩合制の販売職はいるけれど稼げる金額は営業職と比べると少なくなるよ。
おすすめの一冊
営業職も販売職もそれぞれの段階で購入を迷っているお客さんの背中を心理的に押すプロセスを業務内容として担当しています。
このように営業職と販売職の仕事を突き詰めると本当に扱っているのは「お客さんの心理」と言えます。そして、心理学はお客さんの心の動きを理解するうえで役に立ちます。
「[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61」(中村和正、エムディエヌコーポレーション)は幅広い心理学の分野の中から、営業職や販売職に関連の深い「買うときの心理」に絞った一冊です。
辞書のように使いながら「あぁ、確かにこんな気持ちになる」と思える内容が詰まっているので、知っているだけでもお客さんの心の動きが分かりやすくなり営業成績に好影響があります。
まとめ
営業職と販売職の共通点と違いをまとめると次のようになります。
- 営業職は販売職より「購買意欲が低い層を含めた幅広い層のお客さん」を相手にしている
- 営業職は購買意欲を持たないお客さんの心を動かすスキルを持っている
- お客さんの心を動かすスキルは貴重なため、販売職にくらべ営業職の方が市場価値が高く平均年収も高い傾向にある
以上のように「購買意欲を持たないお客さんの心を動かすスキル」の有無がもっとも大きな違いです。
無関心なお客さんに「買いたい!」と思ってもらうのは難しいスキルの1つですが、習得できれば市場価値が高く多額の収入を得るチャンスがあるスキルなので興味がある方は習得に挑戦してみることをおすすめします。
実力をつければフルコミ型営業に挑戦して1億円プレーヤーも目指せます!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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