ザイアンス効果とは?~初対面の信頼構築に役立つ営業の心理学

ルート営業の成績を上げるコツ

◆ この記事をおすすめする読者の皆様

●ザイアンス効果とはどんな心理効果なのかを知りたい人
● 営業マンがザイアンス効果を活かすコツを知りたい人

「ザイアンス効果」とは初めのうちは興味がなかったり、苦手だったものも何度も見たり聞いたりすると次第に良い感情が起こるようになる心理傾向のことです。

上司から「営業は足で稼げ!」と言われて時代遅れの営業スタイルだと反発心を抱いた経験がある人もいると思います。この上司の発言はザイアンス効果をもとに考えると半分正しくて、半分間違っています。

ザイアンス効果は同じお客さんに何回か会うルートセールスなどで役立つ心理テクニックです。特にお客さんに会い始めた初期の信頼構築に役立ちます。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

営業一筋20年のヨシゴマが、お客さんとの信頼を構築するときに役立つザイアンス効果の使い方のコツを紹介します。

◆ この記事でわかること

● ザイアンス効果は初めて見るものに警戒心を抱いていた人が、単純な接触回数を重ねるにつれ親近感を抱くようになる心理傾向のこと。ただし10回くらいで頭打ちになる。
● 第一印象がネガティブなときには接触(会う)ほどにドツボにはまっていく。

◆ この記事の結論

● 接触回数が10回未満のときには単純な接触回数を増やすことで好感度を上げることができる
● 商品に7回接触することで購買を検討してくれやすくなる

スポンサーリンク

ザイアンス効果とは何か?

ザイアンス効果とは、初めのうちは興味がなかったり苦手だったものも、何度も見たり聞いたりすると次第に良い感情を抱くようになってくるという心理傾向のこと。単純接触効果とも呼ばれる。

ザイアンス効果はアメリカの心理学者 ロバート・ザイアンスにより1968年に発表された心理傾向です。

ヒトは未知のものに対して警戒感を抱き攻撃的な態度を取りやすくなります。しかし、何回も接触するうちに警戒感が薄れていき、少しずつ親近感や興味を抱くようになります。

テレビのCMでよく見かける商品やニュース番組で毎朝見るキャスターに好感を持つようになるのもザイアンス効果の影響です。

ザイアンス効果に関する実験

ザイアンス効果は次のような実験で調べられました。

ザイアンス効果に関する実験
  • 被験者が意味を理解しない文字(トルコ語や漢字)や人物の写真を見せる
  • 文字や写真を見せる回数をばらばらにした(1回~25回)
  • 被験者に「良い印象を持つ」と思う文字や写真を評価させたところ、見せられた回数が多い文字ほど評価が高い傾向があった

ザイアンス効果では単純な接触回数と良い印象を抱くこととに関連性が示されています。接触している時間や接触内容にはほとんど関係はありません。

ザイアンス効果は短期間に集中的に使ったほうが効果を発揮しやすくなります。また、一度抱いてもらった好感はすぐに消えることはなく、ある程度の期間持続することがわかっています。

ザイアンス効果の限界

ザイアンス効果は単純な接触回数を増やすだけで得られるお手軽な心理効果ですが、万能ではありません。ザイアンス効果には次のような限界があります。

ザイアンス効果の限界
  • 第一印象がネガティブな場合は接触回数が増えるほど好感度が下がる
  • 10回程度の接触で好感度の上昇は頭打ちになる

第一印象がネガティブな場合は接触回数が増えるほど好感度が下がる

ザイアンス効果で嫌いなものを好きになることはありません。

ザイアンス効果では中立もしくはポジティブな第一印象を持っている対象にのみ働き、ネガティブなイメージを持っている対象には逆効果になります。

嫌われている人に無理やり接触をしようとして訪問をしたり、不要なメールや通知を大量に送ることはデメリットしかありません。

10回程度の接触で好感度の上昇は頭打ちになる

ザイアンス効果は初対面のときの警戒感を弱めていくことで効果を発揮しています。そのため、初めて目にしてから10回くらいで効果が頭打ちになることがわかっています。

お客さんと10回以上接触をしているのに商品を契約してもらえないときには、そのまま足しげく商談を重ねるだけでは購入してもらえる可能性は高くありません。

単純な接触回数を重ねることで警戒心を解きほぐした後には、さらに好感度や商品に興味を持ってもらうための工夫をする必要があるわけです。

ザイアンス効果と一緒に知っておくべき心理傾向

営業マンがザイアンス効果と一緒に知っておくべき心理効果に「スリーヒッツ理論(Three Hits Theory」と「セブンヒッツ理論(Seven Hits Theory)」があります。

一般的に人は情報に3回接するとその情報を認知するようになり、7回接すると購買に結び付くと言われています。

またザイアンス効果で解説したように接触回数が10回程度で単純接触による好感度の上昇は頭打ちになります。

スリーヒッツ理論とセブンヒッツ理論における接触回数と興味・関心の関係

ザイアンス効果を営業で活用するコツ

ヨシゴマ
ヨシゴマ

営業一筋20年のヨシゴマが営業マンとしての経験から机上の空論ではないザイアンス効果の使い方のコツを紹介します。

ザイアンス効果を営業で活用するコツ
  • 第一印象でネガティブな印象を持たれないことを優先する。
  • 接触の決定権を相手に持たせる。

ポイント1:第一印象でネガティブな印象を持たれないことを優先する

ザイアンス効果が役に立つのは第一印象が±0以上のときだけなので、第一印象ではネガティブな印象を持たれないことを優先します。第一印象で嫌われてしまうと挽回することはほぼ不可能です。

スリーヒッツ理論、セブンヒッツ理論にもあるように、まずは3回訪問して話を聞いてもらう関係を作ることが基本になります。その後、7回目くらいを目途に購買を決定してもらいます。

ルートセールスでは「急がば回れ」を意識して、信頼構築の前に売り込みをかけないことが大切です。

ポイント2:接触の決定権を相手に持たせる

接触回数を重ねたいと思うばかりに相手にとって不要なメールや通知を一方的に送りつけたり、許可なく訪問するのは信頼構築にネガティブに働く可能性があります。

相手が警戒心を弱めてくれるまでは、接触の決定権を相手に持たせるようにします。

といっても、かしこまって考える必要はなくちょっと立ち寄ったときに「今ちょっとだけお時間いいですか?」と確認すれば、相手に断る決定権を持たせることができます。

ただ、相手の性格によって「熱心な営業マン」と感じるか「しつこい営業マン」と感じるかの区別は異なるので相手の様子をよく観察して、信頼関係を高められるように配慮することが必要です。

おすすめの一冊

今回解説したザイアンス効果を含め、営業マンが知っておくべき心理学だけをまとめた心理学の本「〔買わせる〕の心理学*消費者の心を動かすデザインの技法61」(中村 和正、エムディエヌコーポレーション)は広く浅く辞書的に使うことができるのであわせておススメします!

営業マンはお客さんのココロの動きをコントロールする業務です。心理学を学べば心の動きの傾向を理解しやすくなります。

まとめ

お客さんは初めて会った営業マンや商品には警戒心を抱きますが、接触回数が増えるほどに警戒を弱めていきます。このような心理傾向をザイアンス効果(単純接触効果)と呼んでいます。

ザイアンス効果はルートセールスなどお客さんと繰り返し接触するタイプの営業で有効に使いやすい心理効果です。

ザイアンス効果は接触回数を増やすだけで働くため、特に初対面のときなどお客さんが初めて営業マンや商品に接するときに使いやすい心理傾向です。ただしザイアンス効果は10回程度の接触で頭打ちとなり、それ以降は単純接触だけでは好感度は上昇しないことがわかっています。

ザイアンス効果を使うときに注意すべきポイントが2つあります。

  • 第一印象でネガティブな印象を持たれないことを優先する。
  • 接触の決定権を相手に持たせる。

「営業は足で稼げ!」という言葉に時代遅れの営業スタイルだと反発心を持つかもしれませんが、初対面のお客さんに対しては接触回数は重要な役割を担っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

本ブログでは営業で本当に使える心理学に基づくテクニックを営業場面別に紹介しています。

  • 初対面の信頼構築に役立つ営業の心理学
  • お客さんの説得に役立つ営業の心理学
  • おすすめの商品を選んでもらえる営業の心理学
  • 提案を受け入れやすくする営業の心理学
  • クロージングを行き詰らない営業の心理学
  • 契約後のキャンセル予防に役立つ営業の心理学

他の営業場面で本当に使える心理学もあわせてお読みください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました