◆ この記事をおすすめする読者の皆様
お客さんと会う前にはどんな準備をしておけばいいのか?と疑問に思う人
お客さんとの面会は毎回が真剣勝負です。しっかりと事前準備をしてお客さんを満足させないと、次回以降に面会のアポイントをくれなくなってしまいます。
営業は事前準備をせずにアドリブでやるものではありません!事前準備をしない「すっぴん」営業はお客さんから低い評価を受ける原因となります。

営業一筋20年のヨシゴマが、営業マンがする事前準備のポイントを紹介するよ
◆ この記事でわかること
● 営業がお客さんと会う前にどのレベルまでの事前準備をしておくべきか?
● お客さんが何度も会いたいと思う営業の特徴は何か?
◆ この記事の結論
● お客さんに会う前に課題を想定して解決案を考えておく
● アタマを使ってくれる営業マンは会っておいて損はないと思われる
営業の仕事はお客さんを訪問する前から始まっている
商品の知識やビジネスマナーを身に着け、小ざっぱりした身なりを整えることはお客さんに受け入れてもらうためには大切な事前準備です。ただし、お客さんから評価をしてもらえる商談をするためにはこれだけでは不十分です。
お客さんから高い評価を受け、これからもずっと会いたいと思ってもらえる営業マンになるためにはお客さんに会う前にもっと準備をしておく必要があります。
事前準備が不足したまま訪問するのは時間泥棒


営業はお客さんに会ってナンボだよね?今日も飛び込み100軒を目指すぞ!
一昔前は「営業マンは足で稼げ」と言われていました。市場が飽和していなかった時代にはとにかくお客さんを訪問していれば「その商品が欲しい」と言ってくれる人に出会えていたからです。
しかし、今はクリックするだけで欲しいものが何でもすぐに手に入ります。モノと情報サービスが飽和した現代にわざわざお客さんに「こんな商品は要らないですか?」方式の営業はあまりにも非効率的です。
また、営業マンから訪問されるお客さんにとっても、自分のことをぜんぜん知らずに訪問してくる営業マンは時間を奪うだけの「時間泥棒」になりがちなので相手をしたいと思いにくくなります。
お客さんの公開情報や業界の情報はHPや書籍から調べられますので必ず目を通しておきましょう!

お客さんに自分が取り扱う商品を紹介するだけならネット通販の方がマシだよ
▼ 業界情報を調べるときはこちらの書籍がおすすめです!
お客さんの状態を「知っているだけの状態」ではスタートラインに立てていない

お客さんの業務内容や競合社の状況を把握した。これで事前準備は完了だよね?
HPや書籍からお客さんや業界についての一般的な情報を得ただけでは事前準備としては不十分です。「一般的な情報」を知っているだけでは何の役にも立たないからです。
営業マンはお客さんが抱えている課題を解決することが仕事ですが、その第一声が「お客様のお仕事で問題になっていることを教えてください」という営業マンは役に立つとは思われないからです。
お客さんがこのように考える理由は大きく2つあります
- 自社の抱えている問題を説明するのに手間がかかるから
- 日々アタマを悩ませている問題を何の準備もなく解くことは不可能だと思うから
もっとかみ砕いて表現すると次のようになります

説明するのも面倒だし、説明したところで何ができるの??
もし、「自分ならその場で問題解決の提案ができる!」と思えるのであれば、凄腕のコンサルタントになれる可能性があるので、転職を真剣に検討してもよいと思います。
お客さんが抱えている「問題を想定した状態」で訪問する

営業マンがするべき事前準備は「お客さんが抱えている問題を想定し、解決のための提案(仮説)を持った状態」になっておくことです。ここまで準備した状態でようやく「お客さんに会う準備ができている」状態となります。
提案を持った状態になるには入念な情報収集や仮説構築が必要になります。社内にある「成約に結び付いた事例」を分析し、仮説を作ることは提案を作るのに有用なので積極的に活用します。
仮説を作っておけば、仮説から逆算して必要な資料が明確になるので事前に準備をすることができるようになります。
仮説思考についてはこちらで記事で解説しているのであわせて読んで下さい。
お客さんが聞きたいのは「自分に利益のある提案」だけ

お客さんは営業と会うときに「時間のコスト」を払っている

お客さんと会う前に入念な準備をしておく必要があるのはどうしてだろう?

うまく成約につなげて自分の報酬を稼いだり、会社に利益をもたらすため??
お客さんに会う前に準備が必要なのは、自分や自分が所属する会社に利益をもたらすためではありません。この考え方はあまりにも営業マン中心の考え方です。
営業マンはもっとお客さんの立場に立って考えるべきです。
営業マンはお客さんが自分と面会している時には時間コストを支払ってもらっていることを肝に銘じておく必要があります。つまり、お客さんが支払ったコストに見合ったリターンを返す必要があるので、営業マンは入念な事前準備をする必要があるのです。
お客さんが会いたいと思う営業の特徴


お客さんの話を聞く前に作った提案なんて課題解決に役立つモノなの?
訪問前に仮説として想定した問題や解決策がお客さんにとって役に立たない場合もあります。
「じゃあ、役に立たない仮説を考えてから面会しても無意味じゃない?」って思うかもしれません。しかし、事前に情報を調べて自分なりの考えを持って訪問した方がたとえ正解ではなかったとしても、印象が良くなります。
少なくとも「何の事前準備もしていない」とか「分かりきった情報だけアタマに入れてきた」程度の準備しかしない営業よりは2回目以降の商談に臨むチャンスをもらえる可能性は圧倒的に高くなります。
これは、考えるプロセスが仕事の中でもっとも過酷で辛い重労働の1つだからです。
考えるという重労働なプロセスに積極的にアプローチしてくれる営業マンには「この営業マンと付き合っておくと、今後何かいいことがあるかもしれない」との期待をお客さんが持つことができるようになります。
額に汗をかいて訪問件数を稼ぐよりも、脳みそに汗をかいてお客さんのためになる提案を考えたほうが成果が期待できます。

考えることは重労働なので、考えられるアタマを持った営業マンは重宝されます
途中で中断した案件の訪問後の対応 ~すでに次回訪問準備は始まっている

「お客さんは忘れてしまう」と肝に銘じる
成約まで行きつかなかった仕掛かりの商談の場合は訪問後すぐに商談内容のポイントをメールで文書化しておくと次回の商談がスムーズに再スタートできます。これをしないと、次回の商談時にお客さんの記憶が抜け落ちてしまっていて再度同じ交渉をするハメになりかねません。
また、訪問後のメールに面会のお礼の一文を付け加えれば好感度もアップするおまけまでついてきます。
面会終了の直後から次回の面会の事前準備は始まっていることを忘れないようにします。

お客さんは話したことを忘れがちなので営業マンのほうが先回りして対策をするよ
おすすめの一冊 営業は準備力
営業の事前準備について詳しく解説した「営業は準備力」 (野部 剛、東洋経済新報社)がおすすめです。2000人ものトップセールスは共通して事前準備として仮説を作ることの大切さを重視しています。
本書ではこのようにトップセールスたちの事前準備の方法論をわかりやすくまとめており、営業の基本となる要素がぎゅっと詰まっている一冊なので読んでみることをおすすめします!
まとめ
お客さんは営業と会うために時間のコストを支払っているので入念な事前準備なしでは時間泥棒になってしまい、次回以降の面談は許してもらえません。
事前準備にはいくつかの段階があります。
- 事前の準備なし ⇒ 価値を認めてもらうことはありません
- 知識の準備あり ⇒ 知っているだけでは不十分です
- 解決の仮説あり ⇒ 的を射ている場合はもちろん、そうでなくても次回に繋がりやすくなります
考えるプロセスは重労働なので、しっかりとアタマを使って提案してくれる営業は重宝され、お客さんから「会う価値のある営業」として認識されやすくなります。しっかりと事前準備をしてお客さんから頼りにされる営業を目指すことが売上アップにつながります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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