営業に役立つ話す技術のポイント|顧客に分かりやすく伝えるコツとスキル

ルート営業の成績を上げるコツ

◆ この記事をおすすめする読者の皆様

● 営業マンが「話す技術」を磨く目的は何?と思う人
● 営業に役立つ「話す技術」にはどんなものがあるの?と思う人

「営業マンは面白い話ができなきゃいけない」とか「強引に商品を買ってもらう押しの強いセールストークができないといけない」と誤解をしてしまう人がいます。しかし、決してそんなことはありません。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

営業一筋20年のヨシゴマ(口下手)が営業マンの「話す技術」について解説するよ!

◆ この記事でわかること

● 営業マンが話す技術を磨く目的
● 営業に役立つ3つのタイプの「話す技術」の具体例

◆ この記事の結論

● 営業マンの話術はお客さん(主役)が気付くサポートをするのが目的

● 「わかりやすく伝える技術」「雰囲気を和ませる技術」「お客さんを動かす技術」を使ってお客さんをサポートする

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営業マンが「話す技術」を使う目的は?

営業は面白い話でお客さんを楽しませたり、「ああ言えばこう言う」でお客さんが断れないようにするために「話す技術」を磨くんだよね?

ヨシゴマ
ヨシゴマ

・・・ぜんぜん違うよ

よくある営業マンに関する誤解に「営業マンは話術が大得意でなければならない」というものがあります。

しかも、その話術は「お客さんを楽しませる話術」や「購入をためらっているお客さんに強引に売り込む話術」だと考えられているケースが多くあります。しかし、営業マンに必要な話術はこのような話術ではありません!

営業の主役はお客さんです!営業マンはあくまでサポートに徹する陰の存在です。

営業マンは「お客さんが自分で問題に気づくお手伝いをするため」に次のような「話す技術」を使います。

営業マンの「話す技術」の目的
  • お客さんの考えをまとめるお手伝いをする
  • お客さんが判断するのに必要な情報をわかりやすく伝える
  • お客さんが決心できるように勇気づける

営業マンが身に着けるべき話術は、決してお客さんをヨイショしたり、論破するために話すのではないので覚えておいてください。

この記事では営業の話す技術を次の3つに分けて解説します。

  • わかりやすく話す技術
  • お客さんの話を引き出す話す技術
  • お客さんを動かす話す技術
ヨシゴマ
ヨシゴマ

営業の「話す技術」はお客さんの行動をサポートするためのスキルだよ!

わかりやすく話す技術

わかりやすく話すには情報の伝え方をコントロールしてお客さんが理解できるように工夫をすることが必要です。

理解しやすく情報を伝えるには「話を要約する」「PREP法で伝える」ことが役に立ちます。

わかりやすく話す技術:お客さんの話を要約する

お客さんの中には決断をすることに慣れていない人もいます。

このような人は自分のアタマの中をすっきりと理解できていないケースがよくあります。特に自分の価値観や営業マンからの提案に優先順位をつけるときに混乱をしやすくなります。

すっきりと理解ができていないお客さんは目的を見失っていたり、些細な部分に目が行ってしまって大局観が持てない場合などがあります。

営業マンはお客さんから聞いた話をもとに考えていることを要約して、お客さんのアタマを整理してもらえるようにします。

要約をするときのポイントは次のようになります。

要約のポイント
  1. 商談の目的を明らかにする
  2. 提案の全体像を話す
  3. 提案の全体像から細部に話題を移す
  4. 要点だけを話す(要らない情報を削除する)

情報が多ければ多いほど良い判断ができるというのは誤解です。人が一度に処理できる情報はそれほど多くはありません。

重要度が低い情報は削除して判断に必要な情報だけを抽出するようにします。その結果、お客さんが判断しやすくなります。

わかりやすく話す技術:PREP法で話す

お客さんにわかりやすく伝えるにはPREP法(プレップホウ)で話すのがおすすめです。

PREP法は次のような順番で話す方法で、最初と最後に結論を話すことが特徴です。

用語解説 PREP法とは
  • P=Point(結論)
  • R=Reason(理由)
  • E=Example(事例、具体例)
  • P=Point(結論を繰り返す)

PREP法では話の冒頭に今から何を話すつもりなのか?をダイジェストで話します。聞く人は話の要点が最初に分かるので理解がしやすくなります。

例えばこのようなケースです。

この商品は多くのお客様から次のような点が評価されています。たとえば・・・
⇒お客さん「高く評価されている特徴を紹介してくれるんだな」
A社への納品が遅れトラブルになったので対応を相談させて下さい。経緯は・・・
⇒上司「トラブルの迅速な対応と原因究明による再発防止が必要だな」

小説では起承転結の順で話を進めますが、商談では「結」を最初と最後に結論を話します。

ただし例外的に結論をいきなり伝えられると思考が混乱してしまうお客さんもいます。この場合は時系列にそって順番に伝えるようにします。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

PREP法で話すのが基本だけど、相手を見ながら話し方を変える臨機応変な対応が必要だよ

 PREP法についてはこちらで解説しているのであわせて読んでください。

お客さんの話を引き出す話す技術

商談ではお客さんに積極的に話してもらったり、考えてもらう必要があります。

どんな状況でも自分の考えをはっきりと話してくれるお客さんもいれば、和やかな雰囲気でないと話してくれないお客さんもいます。

営業マンはお客さんの話を引き出すために「話す技術」を使います。

お客さんの話を引き出す話す技術:雑談をする技術

雑談をする3つのタイミングと目的

雑談をするタイミングは大きく分けて3つのタイミングがあります。そして、雑談のタイミングによって目的は異なっています。

雑談をするタイミングと目的
  • 商談が始まる前:目的はお客さんの緊張を解くこと
  • 商談の途中:目的はお客さんの気分をリフレッシュすること
  • 商談が終わった後:目的はキャンセル予防【必須】
商談が始まる前

商談が始まる前の雑談の目的はお客さんがウォーミングアップをすることです。

営業マンの話を聞くだけの受け身の姿勢のお客さんもいるので雑談を使って積極的に話してもらえるようにします。なお、最初から積極的に話してくれるお客さんには雑談は必要ではありません。

「この営業マンになら安心して自分の考えを伝えられる」と思ってもらえる雰囲気を作るようにします。このときの雑談のポイントは次のようになります。

商談前の雑談のポイント
  • 親近感を持ってもらう
  • 心理的安全性を感じてもらう

共通の趣味や出身地などの共通項があると親近感を持ってもらいやすくなります。また、人は自分の話を一生懸命聞いてくれる人に親近感を持つので誠実な関心を寄せながら雑談をします。

お客さんの価値観を評価せずに理解に徹して聞き、たとえ知っている話でも初めて聞いたかのような反応を示せば「何を話しても大丈夫」と心理的安全を感じてくれやすくなります。

商談前にお客さんの緊張を解き商談に積極的に参加してもらえるようにします。

商談の途中

商談の途中の雑談の目的はお客さんの疲れをリフレッシュすることです。このタイミングの雑談はお客さんから切り出されることがほとんどです。

商談に疲れたお客さんは自分の得意分野の話をして気分をリフレッシュしたいと思います。お客さんは集中力を失っているので、気分転換に付き合ってアタマを休めてもらいます。

商談途中の雑談のポイントは次のようになります。

商談途中の雑談のポイント
  • 適度なところで切り上げて商談に引き戻す(5~10分程度)
  • 集中が切れた理由が「わかりにくいことがあるからなのか?」を確認する

雑談をお客さんが切り上げてくれることは少ないので営業マンが雑談を切り上げます。雑談の時間は5~10分程度で十分なケースがほとんどです。雑談を切り上げるときにはスパッと話題を変えるように「さて、本題ですけど」と話せば商談に引き戻せます。

また、商談に戻るときに「ここまでの説明で不明な点や気になる点はありますか?」と確認をするようにします。

商談が終わった後

商談後の雑談の目的は契約後のキャンセルを予防することです。このタイミングの雑談は絶対に必要なので営業マンから忘れずに切り出します。

お客さんは契約後に必ずバイヤーズリモースを起こすので商談後の雑談でキャンセル予防の先手を打っておきます。商談直後はテンションリダクション効果により普段以上に緊張感が緩んだ状態になっているので、キャンセル予防にはうってつけのタイミングです。

商談後の雑談のポイントは次のようになります。

商談後の雑談のポイント
  • お客さんが商品を購入する決断をしたことは正しい判断であった
  • お客さんが正しい判断をしてくれて嬉しく思っている(or安心した)

商談直後の雑談の目的バイヤーズリモースによる契約後のキャンセルを避けることです。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

商談が終わった後の雑談はキャンセルを予防に有効なので必ずするよ

雑談についてはこちらで解説しているのであわせて読んでください。

お客さんを動かす話す技術

営業マンはお客さんが決断をできるように情報を話します。

ただし、商談における主役はお客さんであって、営業マンはお客さんを陰から支える存在であることを忘れないようにします。

お客さんを動かす話す技術:第三者話法

私が紹介した内容をお客さんがなかなか信じてくれないんですよ・・・

営業マンがお客さんに役立つ情報を提供しても「都合のいい情報だけを伝えられているのではないか?」と疑問が浮かび、もっと中立性のある情報を聞きたいと思うことがあります。

こんなときに役立つ「話す技術」に第三者話法があります。

用語解説 第三者話法とは

営業マン、お客さん以外の第三者を会話の中に登場させ、その人物の意見として情報を伝えるスキルのこと

いわゆるクチコミによる情報が代表例です。第三者話法は「第三者が発信した情報は納得しやすい」という心理傾向のウインザー効果により納得されやすくなっています。

第三者話法を効果的に使うためには「誰を登場させて」「何を話させるか」を気を付ける必要があります。

特にお客さんの背中を押す効果が高いのは一歩先に進んだ人が「迷ったけれど決心してよかった。その理由は・・・」という話をするときです。

第三者話法は営業マンに都合のいい情報をいくらでも話すことができてしまいます。しかし、情報にウソやお客さんを都合よくコントロールしたいという下心があると必ず見透かされて信頼を失うので注意が必要です。

第三者話法についてはこちらで解説しているのであわせて読んでください。

お客さんを動かす話す技術:ネガティブ⇒ポジティブのワンセット話法

ネガティブな情報をお客さんに伝えるときには、ちょっと工夫をすると印象をコントロールすることができます。

相手の考えを変化させ行動を変化させることを目的としたコミュニケーションを説得的コミュニケーションと呼び、次の2つの方法があります。

説得的コミュニケーション
  • 一面提示:紹介するモノの長所(プラスの面)だけを紹介する
  • 両面提示:紹介するモノの長所と短所の両方を紹介する

もちろん、長所だけでなく短所も伝える両面提示の方が営業マンの誠意が伝わります。

ただし、両面提示をするときには工夫をして伝えないとお客さんの印象が悪くなってしまい、イメージを挽回することが難しくなってしまいます。

おすすめの伝え方はネガティブ情報⇒ポジティブ情報の順で、間髪入れずにワンセットで伝える方法です。

  • あとで聞いた情報の方が強く印象に残る(終末効果(親近効果))ためポジティブ情報を後で話す
  • 意見を決めた後はその意見と矛盾しない行動を選択する一貫性の原理があるため間髪入れずにワンセットで話す

一貫性の原理は以下のような心理傾向のことです。

用語解説 一貫性の原理
  • 自分の行動や発言が一貫していると他者から見てもらいたいと思う心理のこと
  • 一度ある決定や立場を決めると、それと矛盾しない行動を選択し続けるようになる

つまり、お客さんは一度でも「No!」と判断をしてしまうと、その後に意見を変えてもらうのは難しくなります。

そこで、ネガティブ情報とポジティブ情報の間にお客さんが判断をする時間を挟まないようにして、ネガティブな情報だけ●●を理由に「No!」とお客さんが判断するのを避けるようにします。

ネガティブ情報とポジティブ情報の組み合わせ例には次のようなものがあります。

ネガティブな情報とポジティブな情報の組み合わせ
  • 商品の短所と長所
  • お客さんが話しにくいと思う情報と話しやすい情報
  • 不確実な情報と確実な情報

このように同じ情報でも「話す技術」により印象が変わることに気を付けなければなりません。

お客さんを動かす話す技術:アサーション(assertion)

クロージングで営業マンが断言(アサーション)をすることはとても大切な「話す技術」です。

営業マンは自分の提案に強い責任感を持つ必要がありますしかし実際にはクロージングのときに営業マンが急に弱気になってしまうことがあります。

クロージングではお客さんと同じように営業マンにも強いプレッシャーがかかります。そんなときにお客さんから「本当に大丈夫なの?」と聞かれると、本音が出てしまいます。

もし、口では商品をすすめておきながら本心は自信がないと断言(アサーション)をできなくなります。その結果、選択する責任をお客さんに押し付けてしまいます。

営業マンは相応の覚悟を持ってお客さんに商品を提案する必要があります

自信を持って断言(アサーション)できる営業マンにお客さんは安心をすることを忘れないようにしましょう。

お客さんを動かす話す技術:反論処理

反論処理・・・お客さんの反論にさらに言い返して、言いくるめる技術のこと??

ヨシゴマ
ヨシゴマ

・・・やっぱり全然ちがうよ

お客さんの反論への対処方法をまとめて反論処理と呼びます。

反論処理の基本的な型はYES-BUT話法ですが、BUTの部分を言うのは営業ではなくお客さんです!営業マンがBUTの部分を言うと誤解しているケースがとても多いので注意が必要です。

正しい反論処理は「いったんお客さんの言い分を受け止めた(YES)後に、お客さんにBUTの部分を言ってもらえるような情報を追加する」ことになります。情報を追加するときには次のような話法を使います。

● YES‐IF話法:実際には起こっていないことを想像してもらう
● YES-AND話法:言い足りなかった情報を付け加える
● YES-HOW話法:お客さんが合意してもらえる条件を聞き出す

この中で、もっとも使い勝手が良い話法はYES-IF話法です。具体例はこのようになります。

YES-IF話法例
  • お客 このダイエット商品は値段が高いので私には不要です
  • 営業 そうですね(YES)。お値段は安いとは言えないと思います。もしも(IF)この商品をお買いになられなかったら今後どうなると思いますか?
  • お客 このまま肥満が続いてしまうかな?健康にもあまりよくないかも…
  • 営業 そうなると手間やコストもかかってきますよね?
  • お客 そうですね。治療費がかかるようになるかもね・・・
  • 営業 逆にもしも(IF)お買いになった場合はいかがでしょうか?
  • お客 一時的に支払いのお金が発生しますね。でも(BUT)長い目で見ると経済的には割安になるのかもしれないですね…

このように反論処理の基本はYES-BUT話法で、BUTの部分はお客さんが言ってくれるようにします。

反論処理が有効なのは商品説明時やテストクロージングです。最終クロージングの結果が「No!」だったときには反論処理で喰い下がってもお客さんの意見が変わる見込みはほとんどありません。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

クロージングの成否は反論処理ではなく、クロージングに至る商談のプロセスにかかっているんだよ!

まとめ

営業マンの「話す技術」について解説しました。

一般的な営業マンのイメージとは異なるかもしれませんが、営業マンの「話す技術」は「聞く技術」や「考える技術」に比べると重要度はそれほど高くありません。

営業マンが話す技術を磨くのはお客さんが決断をするサポートをしやすくなるためです。営業マンの「話す技術」の根幹には「お客さんをサポートしたい」という思いが必ずなければなりません。

お客さんのためのマインドが伴わない技術は簡単に見破られ、お客さんを不快にさせてしまうだけです。逆にお客さんのことを真剣に考えていれば口下手でもトップ営業マンにさえなれます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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