SPIN営業術とは?|顧客の潜在ニーズを顕在化するポイントを要約

ルート営業の成績を上げるコツ

◆この記事をおすすめする読者の皆様

● SPIN営業術とは何かを知りたい人
● どうやればお客さんに「買いたい!」って思ってもらうんだろうと思う人

営業マンが会うお客さんは「自分の現状に満足」をしています。

現状に満足している人は「何かを購入して自分の生活を変化させる必要」を感じてくれないので、営業マンが提案する商品には興味を示しません。

SPIN営業術はお客さんの潜在的ニーズに気づかせ、解決策を提示する営業手法です。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

現状に満足しているお客さんに「何かを変えたい」と思ってもらうのは難しいよ。

営業一筋20年のヨシゴマがSPIN営業術を使ってお客さんの購買意欲をかきたてる手法を解説するよ。

◆ この記事でわかること

● 改善に要する費用が高額になるほどお客さんは少々の不便さを改善する必要性を感じなくなる
● SPIN営業術は「現状に満足しているお客さんの潜在ニーズを深掘りして解決する必要性に気づいてもらう」営業手法のこと

◆ この記事の結論

● SPIN営業術の4つの質問を使って潜在ニーズを顕在ニーズにランクアップしたうえで解決策として自分が取り扱う商品を紹介すれば成約しやすくなる
● トップセールスと普通のセールスを分けるのは示唆質問(Implication Questions)の量

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SPIN営業術とは何か?

SPIN営業術とは「 Situation Questions 状況質問」「 Problem Questions 問題質問 」「 Implication Questions 示唆質問 」「Need-payoff Questions 解決質問4種類の質問を使って購買意欲をかきたてる営業プロセスのことです。

SPIN営業術で使う4種類の質問の目的は次のようになります。

質問の種類目的
SSituation Questions状況質問現状を確認する
PProblem Questions問題質問潜在的に抱えている問題を明らかにする
IImplication Questions示唆質問問題を解決したいと思ってもらう
NNeed-payoff Questions解決質問解決策を受け入れてもらう

SPIN営業術ではこれらの質問を使ってお客さんの潜在的ニーズに気づいてもらい、解決に向かうように促します

SPIN営業術はニール・ラッカムが1998年に「SPIN Selling」として提唱した営業手法です。30年以上前に考えられた手法ですが現在でも有効な考え方で、特に大型案件を扱うときには効果的な営業術です。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

SPIN営業術では4種類の質問を使ってお客さんに「買いたい!」って思ってもらうんだよ。

SPIN営業術のプロセス

SPIN営業術は4つの質問を使ってお客さん自身も気づけていなかった「満足できない状況」に気づいてもらうと同時に、その状況を改善してもらいたいと思ってもらうための営業術です。

4つの質問を通して現状に満足しているお客さんが潜在的に持っている「不満、不便」に気づいてもらう

現状に満足しているお客さんが抱えている潜在ニーズに気づいてもらうプロセスは販売員にはない営業マンに求められているスキルです。

習得までの難易度が高いスキルですがさまざまな場面で活用できる市場価値の高いスキルです。

「状況質問」でお客さんの状況を確認する

まず最初にお客さんの状況を確認のためにする質問が「状況質問: Situation Questions 」です。

商品を売り込むためにはどうしても知っていないといけないことがあるはずなので、知りたいことを端的に確認します。

状況質問をするときの注意点は「お客さんの状況をあれこれ聞くとお客さんはイライラしてしまいまう」ということです。状況質問に答えてもらうことで得をしているのは営業マンの側だけでお客さんにとっては煩わしいやり取りだからです。

状況質問の数を減らすためには訪問前にインターネットなど使って公開情報を集めておき、不足している情報を訪問したときに質問することです。

訪問前にしておく準備のポイントはこちらで解説をしているのであわせて読んでください。

「問題質問」でお客さんが潜在的に持っている問題を顕在化させる

お客さんの状況を確認した後に、お客さんが不満、不便を感じていそうなことを顕在化させる質問が「問題質問:Problem Questions」です。

問題質問(Problem Questions)は次のような質問です。

● 「もっとこうだったらいいな」と思うことはありませんか?
● 現在の状況で不便を感じていることはありますか?

問題質問をうまく使えばお客さんから「もっと〇〇だったらいいなぁ」と要望を言ってもらえることがあります。しかしこの段階ではまだ潜在ニーズの状態です。

新人営業マン
新人営業マン

お客さんの潜在ニーズを見つけたから、さっそく商品を提案していいんですよね?

ヨシゴマ
ヨシゴマ

潜在ニーズに焦って喰いついても購入にはつながらないよ

潜在ニーズのまま商談を進めても商品を購入したいと思うレベルにはなかなか到達しません。それは、潜在ニーズは大きな不満を感じていないため、わざわざ解決したいと思わない場合がほとんどだからです。

潜在ニーズに焦って食いつくと次のようになります。

新人営業マン
新人営業マン

現在は都市ガスをご利用になられているんですね?
新しくお子さんも生まれたとのことなので、オール電化を検討してはいかがですか?

そうですね。現状でも特に問題はないんですが、メリットがあるなら考えます

新人営業マン
新人営業マン

オール電化は都市ガスよりも安全性が高いといわれているんですよ

安全性が高くなるのは、まぁ悪くはないですね。導入にはいくらくらいかかるの?

新人営業マン
新人営業マン

50万円くらいかかります

50万円!?そんなにかかるんだったら今のままで大丈夫です

潜在ニーズの段階では解決する必要性を強くは感じていないことを覚えておきましょう。

特に扱う商品が高額になればなるほど潜在ニーズのままではお客さんは購入を検討してくれません

ヨシゴマ
ヨシゴマ

大型案件になればなるほどお客さんが支払うお金が増えるので「高いお金を支払ってまで、潜在ニーズを解決しなくてもいい」と考え、商談は不成立になるよ。

「示唆質問」で潜在ニーズを顕在ニーズへとレベルアップさせる

お客さんの潜在ニーズを確認した後に、問題の重要性を見直してもらい「この問題には解決策を講じなければならない!」と顕在ニーズへとレベルアップしてもらうための質問が「示唆質問:Implication Questions」です。

示唆質問でお客さんの視点を変えてもらい顕在ニーズへとレベルアップさせられるか否かが営業マンの成績に大きな影響を及ぼしています。SPIN営業術を提唱したニール・ラッカムによるとトップセールスは普通のセールスよりも4倍ほど多くの示唆質問を投げかけていたとのことです。

同じニーズでも視点を変えれば重要性の高い顕在ニーズに変化する

先ほどのオール電化の例ではこんな情報を伝えれば客さんの視点が変わるかもしれません。

● 住宅火災の原因はこんろがたばこ、放火に次ぎ3位に入っている(平成29年中:総務省消防庁調べ)
● ガス器具が原因の火災の件数はIH器具に比べて圧倒的に多い
● ガスは住宅内に熱源を引き込んでいるので、ガス漏れや不完全燃焼での一酸化中毒の心配が伴う

第1-1-15図 主な出火原因別の出火件数の画像
主な出火原因別の出火件数((備考)「火災報告」により作成)
引用 総務省消防庁

え?そうなの?子どもに何かあったら大変。もう少し詳しく話を聞かせてください。

示唆質問はお客さんに「そこまでは考えられていなかったけど、言われてみるとそうだね!」と潜在ニーズの重要性に気づいてもらうための質問です。

◆注意◆ 危機感をあおりすぎて商談が暗くなり過ぎないようにする

示唆質問は『この問題はお客さんが思っている以上に重大ですよ』というネガティブなメッセージなので、これだけを多用していると商談の雰囲気がどんどん暗くなっていきます。

示唆質問のネガティブな印象は解決質問のポジティブな印象で打ち消す工夫ができます。

「解決質問」でお客さんに顕在ニーズの解決を提案する

客さんが抱えている顕在ニーズを解決することの重要性と具体的な解決策を紹介するための質問が「解決質問: Need-payoff Questions 」です。

もちろん紹介する解決策は営業マンが取り扱っている商品に関連していなければなりません。

顕在ニーズを解決する手段としてポジティブな印象で商品を説明すれば、お客さんが興味をもって説明に耳を傾けてくれる可能性はぐっと高まります。

ヨシゴマ
ヨシゴマ

お客さんが顕在ニーズを解決したいと思っている状態になったときに、ようやく商品の説明をするんだよ

先ほどのオール電化の例ではこんな紹介をすることでお客さんの納得を得られるかもしれません。

●オール電化は住宅内に熱源を引き込まないので、ガス漏れや不完全燃焼での一酸化中毒がない
●コンロの周りを熱くしないので衣服やカーテンに着火する危険がない
●IHクッキングヒーターには加熱しすぎを防ぐ安全装置がついている
● 子どものいたずらを防ぐロック機能がついている

子どもが生まれたばかりなので、万が一の火災やガス漏れのリスクを考えたら50万円の費用を払ってでも安全性を高める対策をしたいと思います。

おすすめの一冊 

SPIN営業術のプロセスをまとめたのが「大型商談を成約に導くー「SPIN」営業術」(ニール・ラッカム、月と海社)です。

本書のタイトルにもあるように大型商談を成約に導くにはSPIN営業術を使うことが有効です。

一方で低額の商品に関しては「潜在ニーズ」のままでも比較的よく購入されることがわかっています。これは低額なものなら失敗してもダメージは少ないけれど、高額なものでは購入後に後悔をしたくないので「顕在ニーズ」まで重要性が高まっていないとお客さんは購買を決断してくれないからです。

本書は営業マンの必読の1冊として扱われることが多い名著ですのでぜひ一度読んでみることをおすすめします!

まとめ

営業マンが会うお客さんは現状に満足しているのでわざわざ何かを買って自分の状況を変更する必要性を感じていません。

特にお客さんが支払う金額が大きい大型商品になればなるほど些細な課題には目をつぶってしまいます。

営業マンはSPIN営業術の4つの質問を使うことで、お客さんが気づいていない潜在ニーズを顕在化させて問題解決の必要性を感じてもらうように働きかけます。

  1. お客さんの現状を確認する
  2. お客さんが潜在的に抱えている問題を明らかにする
  3. お客さんに問題の重要性に気づいてもらい解決に前向きになってもらう
  4. お客さんに解決策を受け入れてもらう

SPIN営業術のような現状に満足しているお客さんが抱えている潜在ニーズに気づいてもらうプロセスは営業マンに求められている市場価値の高いスキルです。ぜひ意識的に習得に挑戦してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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